ハザードマップのPDFを開いてみたものの、どこを見ればよいか分からないまま閉じてしまった、という経験はないでしょうか。色の意味や丸数字が多くて、自分の家の周りが結局どういう状態なのかよく分からない、というのは正直なところだと思います。
にしひろリンクで広島市西区を担当しているカズヒコです。わたし自身も、PDFをさっと開いて「とりあえず確認した」と思いこんでいたことがありました。でも改めてじっくり見たら、自分のまわりで思っていたより気になる箇所があることに気づいて、少し意識が変わりました。
この記事では、三篠小学校区を対象にした太田川の洪水ハザードマップを取り上げます。何のための地図か、どこから見ていくと分かりやすいか、公式情報で確認しておきたい点はどこか、という順番で整理します。
太田川の氾濫を想定した三篠学区の地図です
今回取り上げるのは、広島市が作成している洪水ハザードマップのうち、三篠小学校区を対象にした地図面です。太田川が氾濫した場合の浸水区域と浸水の深さを色で表示していて、指定緊急避難場所の場所も記されています。
あくまで「一定の条件のもと太田川が氾濫した場合」を想定したものです。すべての大雨で同じ状態になるわけではありませんし、この地図に載っていない河川や内水氾濫は別の資料が必要になります。地図の前提条件をまず頭に入れておくと、見方が変わります。
対象エリアはこの地域に住む人に関係します
三篠小学校区のハザードマップが対象とするのは、三篠町・打越町・横川新町・横川町・三滝本町・三滝町・竜王町・山手町・中広町など、広島市西区の横川駅まわりから中広エリアにかけての地域です。
この学区に住んでいる人はもちろん、通勤や通学で毎日このエリアを通る人にも関係します。自宅だけでなく、職場や学校、よく通る道のあたりも一度確認しておくと安心できます。
地図を開いたら最初にここを見てください
まず自分の家や職場のまわりが、どの色で塗られているかを確認します。色が薄いほど浸水深が浅く、濃いほど深い想定です。浸水深の凡例は地図の端に書かれているので、色と数値を照らし合わせながら見るのが基本の読み方になります。
色が付いていない白い部分は「浸水しない想定」ですが、それはあくまでこの地図の条件での話です。周りの色が濃い場所に白い部分があっても、その場所が必ず安全とは言い切れないので、鵜呑みにせず近くの公式情報でも確認するのがよいと思います。
指定緊急避難場所として13施設が掲載されています
この地図には洪水を対象とした指定緊急避難場所が13施設掲載されています。施設ごとに洪水・土砂・高潮への対応がそれぞれ表示されていて、すべての施設が同じ条件で使えるわけではありません。
| 施設名 | 所在地(町名) | 洪水対応 |
|---|---|---|
| 三篠小学校 | 三篠町 | ○ |
| 三篠公民館 | 三篠町 | ○ |
| 西区民文化センター | 横川新町 | ○ |
| 横川保育園 | 横川町 | ○ |
| 横川会館 | 横川町 | ○ |
| 三滝本町集会所 | 三滝本町 | ○ |
| 三滝少年自然の家 | 三滝本町 | ○ |
| 三滝会館 | 三滝本町 | ○ |
| 三篠児童館 | 三篠町 | ○ |
| 竜王集会所 | 竜王町 | ○ |
| 山手集会所 | 山手町 | ○ |
| 中広中学校 | 中広町 | ○ |
| 中広集会所 | 中広町 | ○ |
各施設の階数、土砂対応・高潮対応の可否は地図面で確認できます。地図上にNo.が空白になっている施設は記載漏れではなく、地図の表示範囲上の都合によるものです。表を見てNo.が飛んでいても、欠けているわけではありません。
「指定緊急避難場所」と「避難所」は別のものです
地図に載っている「指定緊急避難場所」は、洪水などの危険が差し迫ったときに命を守るために逃げ込む場所です。一方、「避難所」は自宅が使えなくなったときに一定期間生活する場所で、別の指定が必要です。

地図に載っているから必ず開いているとは限らないので、そこは注意が必要ですね
災害時に実際に開設されるかどうかは、地図だけでは分かりません。市から出される避難情報を受け取れる状態にしておくことが、地図を確認することと同じくらい大切です。
地図の中で見落としやすい記号について
三篠学区の地図には、アンダーパスの位置と河川カメラの設置場所も記されています。令和6年4月の更新からこの情報が追加されました。アンダーパスは大雨のときに急激に浸水しやすい場所で、道路の下をくぐる構造になっているために逃げ遅れるリスクがある箇所です。
河川カメラは、太田川の水位が上がっているときに現状を映像で確認できる設備です。祇園大橋が三篠学区の基準水位観測所となっていて、この水位の変化が避難情報の判断に使われます。地図の記号と実際の位置感覚をあわせておくと、非常時に道を選びやすくなります。
このマップで確認できることと、できないこと
- 地図で確認できること
-
太田川が一定条件で氾濫したときの浸水区域と浸水深の目安、指定緊急避難場所の場所と種別対応、アンダーパスや河川カメラの位置
- 地図だけでは分からないこと
-
災害時に各施設が実際に開設されるかどうか、現在の施設の指定状況、想定最大規模降雨時の浸水区域、リアルタイムの水位・避難情報
地図は「想定される状況の見取り図」です。実際の災害時には状況が刻々と変わります。地図で把握した内容は、あくまで事前の下地として使ってください。
避難情報はどこで受け取るか確認しておく
災害時の避難情報は、地図ではなくリアルタイムの公式情報から入手することになります。広島市が提供している防災情報メールへの登録や、洪水ポータルひろしまの確認が、普段から準備しておける手段です。
- 広島市防災情報メール(広島市公式)
- 洪水ポータルひろしま(広島県公式)
- 国土交通省「川の防災情報」(太田川の水位・カメラ映像)
- 広島市防災ポータル(広島市公式)
スマートフォンへの通知設定や、家族との情報共有のやり方も、ハザードマップを見るのと同じタイミングで整えておくと、いざというときの判断が早くなります。
地図を見る前に確認しておきたいこと
広島市公式サイトの洪水ハザードマップページで、三篠(太田川)の最新版PDFを確認します。手元や検索で出てきたPDFが最新版かどうかは、公式ページで照合するのが確実です。
地図を開いたら、まず自分が毎日いる場所の色を確認します。色の凡例と照らし合わせて、どの程度の浸水が想定されているか把握するのが最初の一歩です。
13施設の場所と種別対応を見て、自分の位置から無理なく動ける場所を確認します。アンダーパスの位置も頭に入れておくと、避難経路を選ぶときの参考になります。
広島市防災情報メールへの登録や、洪水ポータルひろしまのブックマークを、地図確認のついでに済ませておくと動きやすくなります。
公式情報でいまの状況を確かめてください
三篠学区の地図は令和6年4月に更新されたものが広島市公式サイトに掲載されています。ただ、指定緊急避難場所の状況はその後も変わる可能性があります。記事に書いた内容はあくまで確認時点のものなので、広島市公式ページで最新版のPDFをご自身で確認するのが一番確実です。
わたし自身も、地図を開くまで「横川まわりはそれほど浸水しないだろう」と漠然と思っていました。でも実際に色を確認してみると、場所によって想定の深さが違っていて、少し驚きました。事前に見ておくと見ておかないとでは、いざというときの感覚が変わると思います。
まずは広島市の洪水ハザードマップページを開いて、三篠(太田川)のPDFを一度だけ確認してみてください。自分の家のあたりだけでも見ておけば、それだけでも十分なはじめの一歩になります。みなさんとご家族の日常が、少しでも安心できるものになりますように。













