統計の数字を見ても、自分が住む西区がどういう状況なのか、なかなかつかみにくいと感じることがあります。広島市全体の動きと、西区だけの内訳では、見えてくるものが少し違ってくるからです。
『にしひろリンク』のエリア担当ライター、カズヒコです。広島市西区在住で、わたし自身も気になって広島県警察が公開している犯罪統計資料を確認してみました。今回はR8年1月から5月の暫定値をもとに、西区の状況を整理しています。
刑法犯の総数がどのくらいか、広島市全体と比べてどうか、そして罪種別に何が増えているのか、この三点を中心に見ていきます。
「犯罪認知件数」とはどういう数字か
そもそも「刑法犯認知件数」とは、警察が犯罪として認知した件数のことです。実際に被害に遭った数と完全に一致するわけではなく、届け出のない被害は含まれません。
「発生件数」という言い方と混同しやすいですが、認知件数は届け出や通報をもとに警察が把握した件数という理解が正確です。数字が増えても、届け出が増えた結果という場合もあります。
今回の資料は「暫定値」という前提で読む
広島県警察が公開している犯罪統計資料は、毎月更新される暫定値です。今回確認した資料はR8年1月から5月、6月4日現在の暫定値です。
広島県警察の統計ページによると、令和8年中の資料は令和9年2月1日に確定値になります。それまでは内容の点検・修正が続くため、数字が変わる可能性があります。

「暫定値」と「確定値」、どちらの数字かで意味合いが違ってきます
広島市西区の刑法犯総数はどのくらいか
R8年1月から5月の西区の刑法犯認知件数は441件です。前年同期は438件でしたので、3件増、前年同期比で0.7%増とほぼ横ばいの状態です。
一方、広島市全体は3,047件で、前年同期の2,785件から262件増、9.4%増えています。市全体が大きく増加している中で、西区は落ち着いた動きに見えます。
罪種別に見ると内訳の動きが大きい
総数がほぼ横ばいでも、内訳を見ると増えているものと減っているものがあります。数字の中身を罪種別に確認したほうが、状況をつかみやすくなります。
| 罪種 | R8年1〜5月 | R7年1〜5月 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 刑法犯総数 | 441件 | 438件 | +3件 | +0.7% |
| 粗暴犯 | 46件 | 31件 | +15件 | +48.4% |
| 窃盗犯 | 270件 | 270件 | ±0件 | 0% |
| 知能犯 | 50件 | 56件 | −6件 | −10.7% |
| 風俗犯 | 8件 | 15件 | −7件 | −46.7% |
資料はR8年1〜5月の暫定値です。広島県警察・刑事総務課 犯罪統計係作成の市区町別資料をもとにしています。
粗暴犯の増加が内訳の中で目立つ
件数の動きで気になるのは粗暴犯です。前年同期の31件から46件に増えており、増減率は48.4%増です。総数が3件増に収まっている中で、粗暴犯だけがこの動きをしています。
粗暴犯とは、暴行や傷害など暴力的な行為を含む犯罪の区分です。ただし、この資料では件数だけが示されており、増加の背景や場所、時間帯などの詳細はここからは読み取れません。
減少している罪種と変わらなかった罪種
窃盗犯は270件で前年同期と同数です。西区では刑法犯全体の約6割を窃盗犯が占めており、この件数の動き方が総数に大きく影響します。
知能犯(詐欺など)は56件から50件に減少、風俗犯は15件から8件に減少しています。件数の絶対値は大きくありませんが、こちらは前年より落ち着いた動きです。
広島市全体と比べて西区はどう見えるか
広島市全体の刑法犯総数は前年同期比9.4%増と、市全体としては増加傾向が出ています。この中で西区は0.7%増にとどまっており、総数で見ると市の平均的な増加ペースよりは落ち着いています。
ただし、区ごとに人口規模が違います。西区の人口は約18万5千人(住民基本台帳・2023年)で、市内8区の中でも人口の多い区のひとつです。件数だけで区同士を比べるには、人口当たりの数字も一緒に見る必要があります。今回の資料では人口当たりの件数は確認できていません。
この資料で分かることと分からないこと
今回の統計資料で確認できることと、まだ分からないことを整理しておきます。
- 確認できること
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西区の刑法犯認知件数の総数と罪種別内訳、前年同期との増減件数・増減率。広島市全体の同じ項目との比較。
- この資料だけでは分からないこと
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犯罪増減の具体的な原因。人口10万人当たりの件数。町丁目別・警察署別の状況。粗暴犯の詳細な内訳。年間を通した傾向。
- 数字だけでは判断できないこと
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地域の安全性の評価。件数の多寡がそのまま治安の良し悪しを示すわけではありません。
公式の統計資料はどこで確認できるか
今回の数字の出所は、広島県警察・刑事総務課 犯罪統計係が作成した「市区町別 刑法犯包括罪種別 認知状況」です。広島県警察の公式サイト内「犯罪統計資料」のページから確認できます。
資料は毎月更新される暫定値です。確定値は翌年2月に公開されます。今後、数字が修正される場合もあるため、正確な数字が必要なときは公式ページで最新の資料を確認するほうが安心です。
防犯施策の案内はどこで見るか
統計の数字を見ても、「では自分の地域で何ができるか」という情報は統計資料の中にはありません。地域の防犯活動や相談窓口については、広島市西区役所や広島西警察署の公式情報が入り口になります。
- 広島市西区役所:地域活動・防犯に関する問い合わせ窓口
- 広島西警察署:管轄内の防犯相談・情報提供の窓口
- 広島県警察公式サイト:犯罪統計資料の最新版が掲載されているページ
最新の資料を自分で確認するには
広島県警察の公式サイトで「犯罪統計資料」を検索すると、最新の市区町別資料にたどり着けます。資料はPDF形式で公開されており、西区の行を確認するだけでも今回の数字が見られます。わたし自身、はじめて開いたときは「どこを見ればいいか分かりにくい」と感じましたが、市区町別の一覧表は思ったより読みやすい形でまとまっています。
数字が増えても減っても、それだけで何かが決まるわけではないですが、自分の地域がどういう状況にあるかを年に一度くらい確認しておくと、少し見通しがつく気がします。
みなさんも、気になったときに広島県警察のページをのぞいてみてください。資料は無料で公開されていますし、難しい手続きもありません。













